Jira Service Management でカスタマーポータルを運営しよう!
Jira Service Management を使えば、あなたがエンジニアでなくてもスムーズにカスタマーポータルを構築して運営することができます。 Jira Service Management を初めて導入する管理者の方向けに優しく説明していきます。
このドキュメントは Jira Service Management Server バージョン 4.14.1 を基に作成しています。
Jira Service Management を使うメリット
Jira Service Management (JSM) を使用すると、実際のビジネスで良くある下記のような課題を解決することができます。
良くある課題例 | JSM の機能名 | 解決方法 |
---|---|---|
カスタマーから、対応が遅いと苦情を言われる。 | SLA | 各リクエストへの返答への制限時間を設ける。 |
同じような問い合わせに人手を割かれている。 | ナレッジベース | ナレッジベースの記事をカスタマーに自動で表示する。 |
問い合わせ方法が不明瞭で、解決に必要な情報が手に入らない。 | カスタマーポータル | 整頓、カスタマイズされたカスタマーポータルから簡単に問い合わせできる。 |
多数の問い合わせを適切に分類したい。 | リクエストタイプ | 問い合わせを種類毎に細分化する。 |
担当者の仕事の割り振りに手間がかかる。 | 自動化 | 様々な条件をベースに、自動的に課題をアップデートする。 |
4種類のユーザーのタイプとロール
下記の4種類のユーザーの役割を簡単に理解しましょう。こちらのドキュメントは、一番上のプロジェクト管理者向けに説明を進めていきます。
ユーザータイプ | 役割の一例 |
---|---|
プロジェクト管理者 |
|
エージェント |
|
コラボレーター |
|
カスタマー |
|
Jira Service Management のリクエスト送信から解決までの流れ
カスタマーは、カスタマーポータルやメールであなたの製品の不具合や不明点に関して問い合わせします。 この問い合わせのことを、カスタマー目線では ”リクエスト” 、そして Jira のユーザー目線では、”課題” と言います。 | |
エージェントは、カスタマーからのリクエストを Jira Service Management 上で確認します。 | |
リクエストを送ったカスタマーとエージェントが、リクエストへの解決方法をポータル上で話し合います。 無事、リクエストが完了すれば終了です! |
サービスデスクのプロジェクトを作成する
- まずはサービスデスクのプロジェクトを作成しましょう。トップメニューバー > ”プロジェクト” > ”プロジェクトを作成” をクリックします。
- Jira Service Management で利用できる「サービスデスク」のプロジェクトは3つありますが、今回のドキュメントでは ”IT サービス管理” に焦点を当てていきます。選択して右下の ”次へ” をクリックします。
”名前”、”キー”、”プロジェクト リーダー” を入力して ”送信” をクリックします。
プロジェクトリーダーとは
ここでのプロジェクト リーダーとプロジェクト管理者は異なります。プロジェクト リーダーの主な活用方法は、課題のデフォルトの担当者に設定したり、権限やワークフローの設定に使用できることです。プロジェクト管理者は、その名の通りプロジェクトを管理(ユーザーのロールの設定など)をすることができます。
- 下記のウェルカムガイドが表示されます。10分程度で終わりますのでガイドに沿って機能を一通り体験しましょう。こちらのドキュメントでは割愛します。
- 次はユーザーを管理者(Administrators)のロールに追加しましょう。あなたはプロジェクトを作成した時点で、既にプロジェクト管理者のロールに追加されていますが、あなたは Jira 全体の設定をしたりする必要があるので、プロジェクト毎にユーザーを管理者のロールに追加するのがオススメです。ユーザーの作成方法は、ユーザーの作成 をご参照ください。(作成時は Jira Service Management へのアプリケーションアクセスにチェックを入れてください。)
- ユーザーの作成が終了したら、”プロジェクト設定” > ”ユーザーとロール” > ”ユーザーをロールに追加” > ”ユーザーまたはグループに追加したいユーザー” > ロール ”Administrators” > ”追加” の順番でクリックします。
リクエストタイプを設定する
カスタマーが問い合わせすしやすいように、リクエストタイプを設定しましょう。詳細は以下のドキュメントをご参照ください。
キューをカスタマイズする
キューとは、カスタマーからのリクエスト(課題)を条件別に分けて表示するリストのことです。詳細は以下のドキュメントをご参照ください。
SLA(サービス・レベル・アグリーメント)を設定する
SLA(サービス・レベル・アグリーメント)とは、リクエストタイプや優先度毎に設定する目標時間のことです。詳細は以下のドキュメントをご参照ください。
ナレッジベースとリンクする(Confluence のライセンスが必要です)
こちらのパートは、Jira と同じアトラシアン製品の Confluence を利用されている方向けの説明となります。現在、Confluence を利用されていない方も是非ご覧いただき、Confluence と Jira を組み合わせて利用することで、いかに効率よくカスタマーのサポートができるのかご確認ください!
”プロジェクト設定” > ”ナレッジベース” の画面で、以下の設定を行います。
- Confluence のスペースへリンク:Confluence のスペースへリンク
- アプリケーション:Jira と接続している Confluence を選択
- スペース:すでにスペースを用意している場合は Confluenceスペースを選択し、なければ ”ナレッジベース スペースの作成” をクリックします。
設定後、”リンク” ボタンをクリックします。
必要な権限について
ナレッジベース スペースの作成には、Confluence 側で スペースの作成 権限が必要です。
- カスタマーがリクエストフォームの入力時に、ナレッジベース内の記事を自動的に掲示するかどうかを、リクエストタイプごとに設定できます。掲示したくないリクエストタイプは、”はい” を ”いいえ” に変更しましょう。カーソルを合わせると鉛筆アイコンが表示されるので、クリックして更新します。
- 実際にリクエストを作成して、表示されるかどうか確認してみましょう。下記のように表示されていれば、無事リンク完了です!
- ナレッジベース記事の閲覧権限や作成権限に関しては、ナレッジベースの設定と権限をご確認ください。
カスタマーの権限を設定する
カスタマーポータルを利用して、リクエストを送ることのできる権限、そしてリクエストの共有権限を設定しましょう。
- ”プロジェクト設定” > ”カスタマー権限” をクリックして、希望の権限にチェックを入れて ”保存” をクリックします。
誰がリクエストを行うことができますか?
”プロジェクトに加えられたお客様”
| ||
”こちらの JIRA サイトにアカウントをお持ちのお客様”
| ||
”誰でもサービス デスクにメールを送信でき、ポータルでリクエストを登録できます” |
カスタマーは誰とリクエストを共有することができるのでしょうか?
”どのカスタマーでも、メールアドレスを入力”
|
”どのカスタマーでも組織でも、このプロジェクト内を検索”
|
カスタマーポータルのカスタマイズ
次は、いよいよカスタマーポータルをあなたの会社用にブランディングしていきましょう!
”プロジェクト設定” > ”ポータル設定” をクリックします。こちらの画面からは下記の設定ができます。
1 名前 カスタマーポータルの名前を設定します。 2 紹介テキスト(任意) カスタマーポータルで名前の下に表示される紹介文です。 3 ロゴ 名前の左側に表示されるロゴです。 4 お知らせ エージェントにお知らせを追加する権限を与えるかどうか選択できます。 - 下記が1の変更箇所に該当する実際のポータルの箇所です。4の ”お知らせを追加する” をクリックしてみましょう。
- お知らせを追加する画面が開きます。システムメンテナンスの告知などは、こちらの機能を利用しましょう。
- お知らせは下記のようにポータルに表示されます。
ヘルプセンターのカスタマイズ
カスタマーポータルの後は、ヘルプセンターもカスタマイズしてみましょう。ヘルプセンターとは、全てのカスタマーポータルをまとめたページのことです。
- ”プロジェクト設定” > ”ポータル設定” > ルックスとフィールの ”閲覧して編集” をクリックします。
- ヘルプセンターの編集画面が表示されます。こちらでも下記の写真のようにお知らせを設定することができますので、営業時間などを告知してみましょう。同様に、ヘルプセンターの名前とタイトルも変更可能です。
- 更に下にスクロールすると、ロゴやバナーの設定、バナーの背景色などを変更できます。好みに合わせてカスタマイズしましょう。
サービスデスクプロジェクトにユーザーを追加する
Jira Service Management のプロジェクトでは、エージェント(カスタマーからのリクエスト対応をするユーザー)を追加する際には、JSM ライセンスを消費しますが、Jira Core/Software へのアプリケーションアクセスをもつユーザーを JSM ライセンスを消費せずにロールに追加することができます。エージェントと比べるとアクセスが制限されますが、課題へアクセスしてコラボレーターとしてエージェントをサポートできます。
自動化を使って、作業を自動化する
Jira Service Management には、Jira Core と Jira Software には無い”自動化”という機能があります。
Cloud 版では、Jira Service Management 以外の Jira 製品にも自動化機能が含まれています。
こちらの機能を使うと、様々な条件をトリガーにして作業を自動的に行うことができる為、人的ミスの防止と作業の効率化が実現できます。
お疲れ様でした。これで、Jira Service Management でのカスタマーポータルの運営に必要な設定はできるようになりましたね。ナレッジベースを充実させたり、SLA を適切にモニタリングしたりして、素早く効率の良いサービスを提供していきましょう!
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