自動化を使って、作業を自動化する

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Jira Service Management には、Jira Core と Jira Software には無い”自動化”という機能があります。
(情報) Cloud 版では、Jira Service Management 以外の Jira 製品にも自動化機能が含まれています。
こちらの機能を使うと、様々な条件をトリガーにして作業を自動的に行うことができる為、人的ミスの防止と作業の効率化が実現できます。


目次



デフォルトの自動化ルールの説明

  1. まずは、デフォルトで設定されている自動化のうちのコメントでトランジションというルールを確認してみましょう。”プロジェクト設定” > ”自動化” > 一番上の ”コメントでトランジジョン” > ”編集” をクリックします。



  2. 下記、一つ一つ解説していきます。

    1. WHEN

    WHEN = 自動化したいアクションのトリガー

    Comment added が設定されているので、リクエスト(課題)にコメントが追加された時に、
    IF で設定されている条件にマッチするかどうかチェックして、全てマッチしていれば、THEN に設定されているアクションを実行するという流れになります。

    2. IF

    IF = THEN で設定されているアクションを実行するかどうかの条件

    下記の条件を全て満たしているかどうかをチェックします。

    • 課題のステータスが ”WAITING FOR SUPPORT” 且つ、リクエストタイプが ”not empty”
    • コメントがパブリック(社内向けのコメントではなく、カスタマー向けのコメント)
    • コメントを追加したユーザーはカスタマーではない
    • コメントは主なアクションです(課題編集時やトランジション実行時に追加されたコメントは対象となりません)
    3. THEN

    THEN = 実行されるアクション

    今回の場合は ”Respond to customer”のトランジションを実行します。つまり、ステータスが ”WAITING FOR SUPPORT” から ”WAITING FOR CUSTOMER” に変わります。

    4. ELSE IF

    ELSE IF = 同じトリガーを元に、IF とは違う条件でアクションを実行したい時に利用します。

    下記の条件を全て満たしているかどうかをチェックします。

    • 課題のステータスが ”WAITING FOR CUSTOMER” 且つ、リクエストタイプが ”not empty”
    • コメントがパブリック
    • ユーザーはカスタマーです
    • コメントは主なアクションです
    5. THEN

    THEN = 実行されるアクション

    こちらでは ”Respond to support” のトランジションを実行します。つまり、ステータスが ”WAITING FOR CUSTOMER” から ”WAITING FOR SUPPORT” に変わります。



  3. 実際にどのように自動化が実行されるのか確認してみます。
    1. 左メニューバー  > ”カスタマーチャネル” > ”ポータルにアクセス” をクリックしてカスタマーポータルにアクセスします。


    2. 一番上の ”Get IT help” を選択してリクエストを作成します。



    3. 自動化が実行される IF(条件)の一つが ”コメントを追加したユーザーはカスタマーではない” なので、”次のユーザーの代理でリクエストを作成:” で自分(jiraadmin)以外のユーザーの Tama を選択します。Summary(要約)とDescription(説明)を入力して ”新規作成” をクリックします。



    4. 下記のようにリクエストが作成されました。右上のステータスは ”WAITING FOR SUPPORT” になっています。



    5. Jira に戻り、左メニューバー  > ”キュー” を選択して先ほど作成したリクエストの要約をクリックします。



    6. 現時点でのステータスは、カスタマーポータルでの表示と同様に、 ”WAITING FOR SUPPORT” になっています。下部の ”クリックしてコメントを追加” をクリックします。



    7. 適当な文章を入力し、”カスタマーと共有する” をクリックします。
      (情報) ここで、”内部コメントを投稿” を選択した場合、コメントはパブリックではないため、自動化は実行されません。



    8. 自動化が実行されて、ステータスが ”WAITING FOR CUSTOMER” に自動で変更されました。



    9. 右下の ”カスタマーからのリクエストを表示” をクリックして、カスタマーポータルでの表示を確認してみましょう。



    10. カスタマーポータルからも、ステータスが変更されているのが確認できました。



    11. 次に今回のリクエストのカスタマーの Tama としてログインしてリクエストにコメントをします。
      (情報) カスタマーの Tama 以外のユーザーがコメントした場合は、ELSE IF の条件の一つの ”ユーザーはカスタマーです” が満たされないため、自動化が実行されません。



    12. 自動化が実行されて、ステータスが ”WAITING FOR SUPPORT” に自動で変更されました。

デフォルトの自動化ルールの編集

  1. デフォルトのルールを編集してみましょう。”プロジェクト設定” > ”自動化” 上から二番目のリンクされた問題の変更時に更新”編集” をクリックします。



  2. ”THEN” > ”編集” をクリックします。



  3. デフォルトでは、「この課題の詳細をご確認ください」とコメントのテキストが設定されていますが、こちらの画面で任意のテキストに変更できます。コメントのタイプを ”内部” から ”パブリック” にすると、コメントがカスタマーにも共有されますが、こちらの自動化で追加されるコメントは内部向けのものなので、内部のままにしておきます。変更が終了したら、”確認” をクリックして画面を閉じます。



  4. 最後に忘れずに ”保存” をクリックしましょう。今回はコメントの文章を「この課題の詳細をご確認ください」から「この問題を引き起こしている課題が解決されました。詳細をご確認ください」に変更しました。



  5. 変更がルールに反映されているか下記の手順で確認してみましょう。

    1. ホームページにアクセスできない、と、サーバーダウン、という2種類の課題を作成して、ホームページにアクセスできない、の課題に is caused by の課題リンクでサーバーダウンの課題とリンクします。つまり、サーバーダウンが原因でホームページにアクセスできないという状況です。課題リンクの設定については、課題をリンクするをご参照ください。



    2. 上記のスクリーンショットの課題リンクのサーバーダウンの左にある課題キー(今回はISD-4)をクリックすると、サーバーダウンの課題に移ります。課題リンクが、causes と表示されていますね。こちらの課題が、リンクしている課題の問題を引き起こしている。という意味になります。



    3. サーバーダウンが直ったと仮定して、課題を解決してみます。”Resolve” > ”解決状況”の入力 >  コメント(任意)> ”Resolve” で課題を解決します。



    4. 自動化のルールが実行されると、下記のようにリンクされている課題に自動でコメントが表示されますので、リンクされた課題を確認してみましょう。課題が解決されると、自動的に課題キーに取り消し線が入ります。このように、自動で関連する課題にコメントがされますので、ユーザー間の共有がグッと楽になりますね!

自動化ルールの新規作成

次は、 ”カスタマーへの目標を設定” を例にして自動化ルールの作成方法を説明します。リクエストタイプや優先度によって設定した SLA をカスタマーに伝えることで、カスタマーに安心してもらいましょう。

  1. ”自動化” > ”ルールを追加””カスタマーへの目標を設定” > ”次へ” をクリックします。



  2. 規則名を「インシデントの目標時間通知」と入力します。WHENはデフォルトの ”Issue created” のままにします。



  3. 既存の SLA の確認、編集 で Issuetype(課題タイプ) が Incident で、priority(優先度)が高いもの(Highest, High, Blocker)には、2時間のSLAを設定しましたね。まずは、その条件を IF に入力します。”IF” > ”条件を追加” をクリックします。



  4. ”課題が次に一致:” を選択して ”追加” をクリックします。



  5. ”優先度” を選択して、(Highest、High、最高(Blocker))にチェックボックスを入れます。



  6. ”さらに見る” > ”タイプ” を選択します。



  7. ”タイプ” > ”Incident” を選択します。



  8. ”確認” をクリックします。



  9. 次はコメントを入力しましょう。”THEN” > コメントを追加の右側の ”編集” をクリックします。



  10. 任意のコメントを入力後、コメントのタイプは ”パブリック” のままにして、”確認” をクリックします。



  11. 次は、優先度が Highest, High, Blocker 以外の課題に対してのコメントの設定をしましょう。IF の下にある ”+ アイコン” をクリックします。



  12. ELSE IF が作成されました。IF の条件がそのままコピーされています。”ELSE IF” > 課題が次に一致:の右側の ”編集” をクリックします。



  13. Medium 以下の優先度にチェックを入れたら、”確認” をクリックして画面を閉じます。



  14. ELSE IF を作成した時点で、THEN も自動でコピーされますので ”THEN” > コメントを追加の右側の ”編集” をクリックします。 



  15. コメントの2時間を4時間に変更して、”確認” をクリックします。



  16. これで設定が完了しました。最後に必ず ”保存” をクリックしましょう。



  17. カスタマーポータルで、実際にリクエストを作成してテストしてみましょう。下記のようにコメントが自動で投稿されていれば成功です!優先度によって、2時間以内と4時間以内になっているかも確認してみましょう。

    1. 優先度が Highest, High, Blocker のリクエストタイプ


    2. 優先度が Medium 以下のリクエストタイプ


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