JIRA 入門編 - 課題を作る、編集する
このページでは、JIRAに新しい課題を作ったり、編集する方法を説明します。
「課題」はJIRAで情報を扱う単位です。
JIRAで扱う情報の最小単位が、画面上の各項目に対応する「フィールド」です。フィールドをいくつかまとめたものが「課題」です。課題を束ねる単位が前に説明した「プロジェクト」です。プロジェクトよりも上位には「プロジェクトカテゴリ」という単位もあります。
フィールドに関しては、このドキュメントの範囲をこえるので説明しません。
JIRAの課題は、後で説明するワークフローに沿って状態が変化していきます。課題で報告された内容に対応しながらワークフローを進めて課題を解決し、クローズさせると完了します。
新しい課題を作る
JIRAに課題を新しく作るには、画面の左上の方に表示されている「課題の作成
」をクリックします。このリンクの表示されている画面であれば、どこからでも課題を作成できます。
現在の画面の上に、ポップアップ画面で「課題の作成
」画面が開きます。
新しい課題の作成画面
この画面では、最初に課題を作りたい「プロジェクト
」 を選び、次に課題の「課題タイプ
」を選択します。プロジェクトと課題タイプの組み合わせにより、使用できるフィールドが異なることがあります。
項目名の最後に「*」が付いているフィールドは入力必須のため省略できません。 項目の右側にある黄色い「?」をクリックすると、ヘルプ画面を見ることができます。
「環境
」「説明
」のように、プレビュー機能がついているフィールドでは、Wikiマークアップを利用してリッチテキスト形式で入力できます。ただし、Confluenceのリッチテキストエディタとは異なり、手動でタグを埋め込む必要があります。タグの使い方については、黄色い「?」をクリックしてヘルプを参照してください。
- (A) プロジェクト …… 課題を作成するプロジェクトを選択します。
- (B) 課題タイプ …… 「バグ」「タスク」などから課題のタイプを選択します。プロジェクトと課題タイプの組み合わせにより、画面の内容が変わることがあります。
- (C) 要約 …… 課題の見出しとして使用する要約です。課題の内容を簡潔にまとめてください。
- (D) 優先度 …… 課題の優先度です。デフォルトでは「最高」「高」「中」「低」「最低」までの5段階があります。
- (E) 期限 …… 課題の解決期限です。
- (F) コンポーネント …… プロジェクトを構成する要素(「データベース」「ビジネスロジック」など)のどれにあたるかをを選択します。
- (G) 影響バージョン …… この課題で報告した内容が影響を与えているバージョンです。
- (H) 修正バージョン …… この課題で報告した内容が修正されるバージョンです。
- (I) 担当者 …… 課題の主担当となるユーザーを指定します。
- (J) 報告者 …… 課題の進捗などを管理するユーザーを指定します。デフォルトは課題の作成者です。
- (K) 環境 …… 「OS」「フーレムワーク」「ハードウェア」など、課題の対象となる環境です。
- (L) 説明 …… 課題の詳細な説明を記入します。
- (M) 初期見積 …… この課題の解決までに必要な工数の初期見積りです。「w」(週)、「d」(日)、「h」(時間)などの単位で指定します。
- (N) 残余見積 …… この課題の解決までに必要な残り工数の見積りです。「w」(週)、「d」(日)、「h」(時間)などの単位で指定します。
- (O) 添付ファイル …… 課題にファイルを添付したいときに使用します。
- (P) ラベル …… 課題を分類するためのラベルを指定します。
各フィールドの内容を入力できたら、画面右下の「作成
」ボタンをクリックして課題を作成します。
入力漏れがあったり、書式を間違えていたりすると、赤い文字でエラー内容が表示されます。エラーを確認して修正してください。
課題を作成できると、画面の上のほうに「課題 ~ の作成に成功しました。
」というメッセージが表示されます。
課題のキー(XXX-nnn
)と要約の部分がリンクになっています。クリックすると作成した課題が表示されます。右端の×ボタンをクリックすると、メッセージを消すことができます。
新しい課題の表示画面
作成した課題を表示すると、以下のような画面になります。
課題の表示内容はプロジェクトや課題タイプ別の設定により異なっていることがありますが、それぞれ以下のような内容になります。
- (A) プロジェクト名 …… 課題の含まれているプロジェクトの名前です。
- (B) 課題キー …… プロジェクトのキー+連番で自動的に採番されます。変更はできません。
- (C) 要約 …… 課題作成時に指定した要約です。一行で課題の概要を表現しています。
- (D) 課題操作ボタン …… 課題を操作するための機能ボタンです。持っている権限やワークフローにより表示内容が変わります。
- (E) 共有ボタン、ビューボタン …… 他のユーザーと課題を共有するためのメールを送信したり、XML形式、Word形式、印刷用フォーマットなど表示形式を変えるときに使います。
- (F) 詳細 …… フィールドに設定された課題の詳細です。設定によっては非表示の項目もあります。
- タイプ …… バグ、タスクなど、課題のタイプです。
- 優先度 …… 課題に設定されている優先度です。
- 影響バージョン …… この課題で報告した内容が影響を与えているバージョンです。
- コンポーネント …… プロジェクトを構成する要素(「データベース」「ビジネスロジック」など)のどれにあたるかをを選択します。
- ラベル …… この課題を検索するときなどに使う目印です。
- 環境 …… この課題の発生した環境です。例えばバグの発生したOS、ソフトウェアバージョンなどになります。
- ステータス …… 現在の状態です。ワークフローに従って変化していきます。
- 解決状況 …… この課題の問題が解決できているかを表現します。
- 修正バージョン …… この課題で報告した内容が修正されるバージョンです。
- (G) 詳細(ピープル、日付、時間管理) …… フィールドに設定された課題の詳細です。こちらは人や日付、時間に関わるものになります。
- 担当者 …… 現在この課題を処理しなければならない担当者です。
- 報告者 …… この課題を管理するユーザーです。デフォルトでは、課題作成者が設定されます。
- 投票 …… 「この課題に投票をする」をクリックすると、課題に投票され、カウンターが上がります。ただし、課題の報告者は投票できません。
- ウォッチャー …… 課題をウォッチするかを設定します。数字はウォッチャー人数です。「この課題のウォッチを中止する」をクリックすると、「この課題のウォッチを開始する」に変更となり、ウォッチ対象から外れます。
- 作成日 …… 課題を作成した日時です。
- 更新日 …… 最後に更新された日時です。
- 見積 …… この課題を完了するまでに必要な時間の見積りです。
- 残り …… 見積りと記録済み時間をもとに、この課題に使用できる時間の残りを計算して表示します。
- 記録済 …… この課題の作業として記録された時間の合計です。
- (H) 説明 …… 課題作成時に入力した説明です。リッチテキスト形式で表示できます。
- (I) アクティビティ …… 課題に付けられたコメント、操作の記録などです。
既存の課題を編集する
既存の課題を編集するには、まず編集したい課題を表示する必要があります。JIRAには、課題を表示するための方法がいくつか用意されているので、代表的なものをご紹介します。
a. 「クイック検索」に課題キーを入力する
課題のキーがわかっているときは、画面の右上に表示されている「クイック検索
」テキストボックスに課題の課題キーを入力し、[Enter]
キーを押して検索します。
入力されたキーに対応する課題が登録されていたら、その課題が画面に表示されます。課題キーに誤りがあるときは、「課題が存在しません
」というエラーメッセージが表示されます。
課題キーのハイフン(“-”
)よりも前の部分(プロジェクトのキー)しかわからないときは、その部分を「クイック検索
」テキストボックスに入力して[Enter]
キーを押します。「スマートクエリ
」機能が起動して、入力したキーに対応するプロジェクトの課題を表示します。編集したい課題が見つかったら、「キー
」と「要約
」のリンクをクリックします。
b. 課題ナビゲーターから検索する
条件を指定して課題を検索するには、「課題ナビゲーター
」を使用します。画面上部に表示されているメニューから「課題
」→「課題の検索
」を選択します。
以下のような課題ナビゲーター画面が表示されます。この画面では、いろいろな条件を組み合わせて課題を絞り込むことができます。絞り込んだ結果をフィルターとして保存しておき、あとで再利用することもできます。編集したい課題が見つかったら、「キー
」と「要約
」のリンクをクリックします。
c. アクティビティストリームなどから指定する
JIRAには、アクティビティストリームなど課題を表示する機能が多くあります。それらによって表示されている課題から、編集対象を選択することもできます。
以下の画面は、ダッシュボード画面に表示されているアクティビティストリームから課題を選択する例です。
ご参考
「アクティビティストリーム」とは、自分に関連する課題などJIRAの最近の作業状況を表示してくれる機能です。アクティビティストリームについては、Atlassianのドキュメント「Adding then Activity Stream Gadget」(英語)をご覧ください。
アクティビティストリームに限らず、JIRAで課題が表示されているところなら、どこからでも課題を編集できます。
課題を編集する
編集するために既存の課題を開くと、以下の画面が表示されます。
ご注意ください
課題の割り当て状況や、ログインしているユーザーの持っている権限により、画面の表示内容は異なります。利用できない機能のボタンは表示されていないことがありますのでご注意ください。
各項目の表示内容は、課題を新しく作成したときと同じです。新しい課題の表示画面を参照してください。
この画面では、主に(A) 課題内容の編集、(B) ワークフロー操作、(C) コメントの追加を行います。
(A) 課題内容の編集
「編集
」ボタンをクリックすると新しい課題の作成画面と同じようなポップアップ画面が表示されます。課題に登録されている内容に誤りがあったときは、この機能を使って修正します。項目によっては、このボタンを押してポップアップを表示しなくても、フィールドを直接クリックして編集できるものもあります。
(B) ワークフロー操作
プロジェクトの課題タイプ別に設定されているワークフローに従って課題を進めるには、この機能を使います。上の画面の例では「処理中止
」「完了」の2つの操作ができます。ワークフローの設定によっては、ボタンをクリックしたときにコメントやその他の項目を入力するように指示されることがあります。ワークフロー操作についての詳細はワークフロー操作をご覧ください。
(C) コメントの追加
課題の他の状態は変更せずに、コメントのみを追加します。画面上下二箇所にあります。作業のメモ、課題に関連した連絡など、いろいろな目的に使えます。コメント欄ではWikiマークアップが使用できます。
ワークフロー操作
作成した課題は、あらかじめ設定されているワークフローに従ってステータスが変化していきます。ワークフローとは課題に設定されている状態のフローのことで、状態から状態に遷移するための経路がいくつか設定されています。
下の図は、JIRAにデフォルト定義されている課題タイプ「タスク」のワークフローです。大きな角丸四角形が状態(ステップ)、矢印が経路(トランジション)になります。ここでは、状態≒ステータス、経路≒操作と考えてください。
課題が作成される(Create)と、まず「TO DO」へ自動遷移します。これが新しい課題を作るで課題を作ったあとの状態です。オープンされた課題は、処理中(IN PROGRESS)、完了(DONE)のいずれかの操作により、状態が変化します。編集画面の(B) ワークフロー操作の欄には、この2つの操作に対応するボタンが表示されます。
課題が解決されると完了(DONE)となり、課題は終了します。完了した後、問題が見つかった場合は、再オープン(Reopen)して処理を再開できます。
ウォッチ機能
ウォッチ機能とは、表現を変えると課題を監視するための機能です。担当者や報告者という形で直接関係していない課題でも、ウォッチ設定しておくと変更されたりステータスが変わったりするたびに、JIRAからメール通知を受け取れるようになります。
ご注意ください
メール通知を受け取るためには、JIRAにメールサーバーが設定されており、かつプロジェクトがメール通知できるように設定されている必要があります。詳しくはJIRA管理者、またはシステム管理者にご確認ください。
ウォッチ機能については、Atlassianのドキュメント「Watching and Voting on an Issue」(英語)を参照してください。
課題をウォッチする/ウォッチを中止する
課題をウォッチするには、ウォッチしたい課題を開き「ピープル
」に表示されている「この課題のウォッチを開始する
」をクリックします。
ウォッチを開始すると「この課題のウォッチを中止する
」と表示されます。表示の数字はその課題をウォッチしているユーザーの数です。権限があるユーザーで数字をクリックすると、ウォッチしているユーザーが誰か確認できます。
「この課題のウォッチを中止する」リンクをクリックすると、課題のウォッチを中止します。
自動ウォッチ機能
JIRAには、自分が報告したりコメントした課題を自動的にウォッチする「自動ウォッチ機能
」があります。この機能により、自分の貢献した課題について継続的に通知を受け取れるようになります。この機能はデフォルトで有効になっていますが、無効にすることもできます。
機能を切り替えるには、画面上部に表示されているユーザー名のリンクをクリックして、ユーザーのプロファイル画面を表示します。「ユーザー設定
」の中に「自動ウォッチ
」があるので、現在の設定を確認できます。設定を変更するには、「ユーザー設定
」の右にある鉛筆アイコンをクリックします。
「ユーザー設定の更新
」画面がポップアップ表示されます。ポップアップ画面の一番下に「自動ウォッチ
」という項目があるので、ドロップダウンリストで有効/無効を切り替えます。設定できたら「更新
」ボタンをクリックします。
自動ウォッチ機能の切り替えで影響を受けるのは、設定後の操作だけです。すでに自動ウォッチ機能でウォッチ設定されているものはウォッチ中のままになっています。
投票機能
JIRAの投票機能とは、課題に対して優先して対応して欲しい、興味を持っているなど、注目していることを明らかにするための機能です。各課題につき一回だけ投票できますが、自分の起票した課題には投票できません。また、投票機能を利用するには権限が必要です。
投票機能については、Atlassianのドキュメント「Watching and Voting on an Issue」(英語)も参照してください。
課題に投票するには、左側のピープル欄に表示されている「この課題に投票する」リンクをクリックします。左側に表示されている数字が、現在の投票数です。
課題に投票すると、数字がカウントアップされます。「この課題への投票を取り消す」と表示されている部分をクリックすると、投票を取り消すことができます。
投票数が表示されている括弧内の数字をクリックすると、投票履歴画面が表示されます。課題の投票数の時系列推移と、誰が投票しているかを確認できます。
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