Jira Cloudを使って最初のプロジェクトを作成しよう!
Jira のインスタンス立ち上げが終了したら、早速プロジェクトを作成していきましょう。本ドキュメントでは食堂付き塾のオープンを例に Jira の活用方法をシンプルに説明していきます。
このドキュメントの操作は、Jira 製品管理者権限を持つユーザーが操作する前提で書かれています。
目次
プロジェクトの背景
{突然ですが、私はこの度、かねてより夢だった、食堂付き塾をオープンします。
夜遅くまで勉強する子どもたちが、塾弁を持ってくることなく、塾内で栄養バランスのいい夕飯を食べることができるところが、この塾の魅力です。}
メンバー
従業員は私の他に4名。3名は講師をすることができて、1名は料理人です。
講師の中には他の業務を兼任している者もあります。以下、メンバー紹介です。
私 | 塾のマネージャー |
塾長 | |
講師 兼 料理長 | |
Yellow | 講師 兼 エンジニア |
料理人 |
開塾までにやること
開塾までに3つのことをやりたいと思います。
物件を決める(リーダー:Red)
- 不動産屋に行く
- 物件周辺調査食堂のメニューを決める(リーダー:Green)
- メニュー考案
- 仕入れ先を決める生徒募集をかける(リーダー:Yellow)
- ロゴ作成
- ホームページ作成
- ちらし広告作成
以上のユーザーとタスクを、Jira で管理して、開塾まで無駄なく進めていきたいと思います。
5種類のテンプレートを使い分けよう!
Jira には5つのテンプレートが用意されています。「プロジェクトを作成」をクリックすると、以下の画面が出てきます。
各テンプレートの詳細は、ソフトウェア プロジェクト テンプレート一覧をご参照ください。
カンバン‥プロジェクトやタスクのステータスをチーム全体ですばやく確認して進めたい場合はこちら。
スクラム ‥アジャイルの「スクラム」をサポートするテンプレートです。スプリントと呼ばれる定義された期間内に、アップデートをリリースして機能を追加し、繰り返し製品を出荷したい場合はこちら
バグ追跡‥バグ対応に特化したプロジェクトの場合はこちら。
トップレベルの計画・・プラン機能を使用してチーム全体の達成状況を追跡できます。(Premiun以上限定のテンプレートです。)
チーム横断プランニング・・1つの企業管理対象プロジェクト内で独立した2つのチームを編成し、それぞれ専用のスクラムボードで作業します。課題はプランで作成・割り当てし、プロジェクトに保存できます。(Premiun以上限定のテンプレートです。)
今回は、カンバンを選択します。
今回は、企業管理対象プロジェクトでプロジェクトを作成します。
(チーム管理対象プロジェクトと企業管理対象プロジェクトの違いが知りたい方はこちら)
任意のプロジェクト名とキーを入力して、次へをクリックします。
食堂付き塾設立プロジェクトがJira上に作成されました!
プロジェクトロールを作成しよう!
Jira では、ユーザー毎、プロジェクトロール毎、グループ毎などで様々な権限を付与することができます。個々のユーザーに権限を付与すると、事業が大きくなってユーザーが増えていった時に管理が大変ですよね。後で便利に使えるよう、プロジェクトロールを作成してユーザーに付与していきたいと思います。
歯車マーク > ①システム > ②プロジェクトロールをクリックします。
次のプロジェクト ロール ブラウザー画面で、プロジェクト ロールの追加が可能です。
まずは講師(Teacher)のロールを追加してみます。
名前と説明を入力して”プロジェクト ロールの追加”をクリックします。
同じ要領で、料理人(Chef)とエンジニア(Engineer)、マネージャー(Manager)も追加しました。
ユーザーを作成しよう!
プロジェクトロールの作成ができたら、自分の仲間をユーザーとして追加していきましょう。
プロジェクトサイドバーのプロジェクト設定 > ①ユーザー > ②ユーザーを追加
メールアドレスとロールを入力し、追加をクリックします。
複数のロールを付与したい場合は、ユーザーを追加した後に、ロールをクリックすると他のロールを与えることができます。
課題を作成しよう!
仲間をユーザーとして追加できたところで、いよいよ課題を作成していきましょう。
プロジェクトスクリーンの作成をクリック > 課題作成画面が表示されます。
課題作成画面の説明を以下に記載します。
課題のフィールド説明
プロジェクト:作成する課題の対象のプロジェクトです。
課題タイプ:エピック・ストーリー・タスク・サブタスクがあります。後ほど、サブタスクについて説明します。
ステータス:この課題のステータス
要約:一言でどのような課題かわかる内容を入力します。
親:子課題がどの親課題に属しているかを設定するためのフィールドです。これにより、Jiraのタスクの階層構造が明確になります。
コンポーネント:プロジェクト内の課題をさらに細かくグループ化する際に使用されます。後ほど詳しく説明します。
説明:課題の詳細です。
優先度:デフォルトで Highest から Lowest の5種類があります。
Team:チームを問題に関連付けます。このフィールドを使用して、チーム別に問題を検索およびフィルタリングできます。
添付ファイル:課題の解決に役に立ちそうなファイルを添付できます。今回の課題では、地図や物件の見取り図や賃料の詳細などを添付すると便利ですね。
必要な項目に入力し終えたら、作成をクリックします。
1つ目の課題が出来上がりました!
また、ストーリーやタスクには、配下にサブタスクを作ることができます。
例えば、塾の物件を決めるという仕事には、 「不動産屋に行く」「 物件周辺調査」などという仕事が必要になるので、サブタスクとして作っておくと、管理がしやすいですよね。
課題表示画面から、追加>サブタスクをクリックし、サブタスクの要約を入力後、保存します。
これで課題の準備は万端です
・・・あれ・・。でも、担当者が未割り当てになっていますね。これでは、誰がこのタスクをやるのか分からず、困ってしまいます。。
手動で割当てるのもOKですが、コンポーネントを使用して自動で担当者を割り当てるのがおすすめです。次に詳しく説明していきます。
コンポーネントを作成しよう!
コンポーネントとはプロジェクトのサブセクションです。プロジェクト内の課題をさらに細かくグループ化する際に使用されます。(参照:Jira コンポーネントとは)何を基準にグループ化するかは、ユーザーが決められます。
また、コンポーネント機能ではコンポーネントごとに既定の担当者を決められます。
今回は、3つのコンポーネントを作成したいと思います。
①物件関係 ②食堂関係 ③生徒募集
プロジェクトサイドバーのプロジェクト設定 > コンポーネント > 「Jira コンポーネントに切り替える」のトグルをクリックします。
「コンポーネントを作成」をクリックします。
もう一度、課題を作成してみましょう。
先ほどと同じ内容で、コンポーネントに物件探しを選択し、保存します。
担当者が自動的にコンポーネントリードのRedに割り当てられました🎉
これで、課題が宙に浮いてしまう事態は防げます。
このあとコンポーネントリードがチームメンバーに課題を振り分けても良いですね。
ワークフローを理解しよう!
すべての Jira プロジェクトには課題が含まれ、チームはこの課題を表示し、作業を行い、作成から完了までの各作業段階をトランジションさせます。課題がたどるこのようなパスはワークフローと呼ばれます。
課題のステータスにある ”ワークフローの表示” をクリックして確認してみましょう。
デフォルトのワークフローは以下のようになっています。課題作成時に特に変更しなければ、ステータスが BACKLOG になります。
BACKLOG だったステータスを、SELECTED FOR DEVELOPMENT、進行中や完了に変えることができます。
プロジェクトや課題タイプに合わせて、新しいステータスやトランジションを削除・追加したり、トランジションに条件を付けたりできます。(例:物件探しを完了できるのは Manager だけ)
次のセクションで詳しく説明します。
ワークフローを編集しよう!
まずは、実現したい作業工程を書き出してみます。
今回のプロジェクトでは、
オープン→進行中→レビュー中→完了
という風に進めたいと思います。
それぞれの担当者は、作業を開始したらステータスを進行中にします。
作業が終わったら、Manager に連絡して、ステータスをレビュー中にします。
Manage rはレビュー後、承認か却下をします。承認されたら、この課題は完了になります。
レビュー中の課題を却下・承認できるのは、Managerだけです。
Jira Softwareのワークフローをこれに合わせて変更してみます。
歯車マーク > 課題 > ワークフローで、編集したいワークフローを選択します。
①不要なステータスは削除し、②必要なステータスを選んで追加します。
今回のプロジェクトでは、「オープン→完了」や「進行中→完了」などのフローは想定していないので、「すべてのステータスがこのステータスにトランジションすることを許可」のチェックを外します。
ステータス同士をつなげるトランジションを追加していきます。
ソースステータスとターゲットステータスを確認して、適宜名前を付けます。
実現したい作業工程と同じワークフローができました!
物件やメニューの最終チェックをするのはマネージャーである私(プロジェクトロール:Manager )なので、Manager だけが承認・却下をできるようにしていきたいと思います。
承認トランジションをクリック > 条件を選択
デフォルトでは条件が何も入っていないので、Manager のみがトランジションを実行できる条件を追加します。
Managerは承認できます。
その他の人は承認が選択できません。
同じ要領で、却下トランジションも、Manager のみが却下できるように設定します。
作業ログを作成しよう!
PDCA のサイクルを効率的に回す為には、進捗状況の記録が肝心です。作業を行った時には、欠かさず作業ログを作成しましょう。課題表示画面の右上にある(…)から、作業をログをクリックします。
”アクティビティ” に ”作業ログ” が記録されて、”時間管理” も更新されましたね!これで進捗具合と残りの作業時間が明確になりました。
お疲れさまでした!これで、プロジェクトと課題の作成の仕方はバッチリですね!まだまだ Jira には沢山の機能がありますが、最初はシンプルな状態で実際に使いながら、慣れていくことが重要です。焦らずに少しずつ学んでいきましょう。
レポートを活用してプロジェクトを計画通りに進めよう!
Jira Software には沢山のレポートがありますが、ここでは上記までに作成したタスクを計画通りに進める為に役に立つレポートに焦点を当てて、解説していきます。
メインナビゲーションバーの ダッシュボード > ダッシュボードを作成
ダッシュボードの情報を入力して、”保存” をクリックして作成しましょう。
閲覧者と編集者はプロジェクト単位、グループ単位、ユーザー単位で選択することができます。
ダッシュボードの作成ができました。
ガジェットを追加していきましょう
追加可能なガジェットが表示されますので、自分の好みのガジェットを追加していきましょう。例として2次元フィルター統計、作成済みvs解決済みグラフ、円グラフの3つを追加してみます。検索画面で検索するとすぐに見つかります。
2次元フィルター統計では、保存済のフィルタからのデータをX軸とY軸で表示することが出来ます。このプロジェクトのフィルターを選んで、担当者とステータスを軸に保存してみます。自動更新にチェックを入れておくと便利です。
2次元フィルター統計では、保存済のフィルタからのデータをX軸とY軸で表示することが出来ます。このプロジェクトのフィルターを選んで、担当者とステータスを軸に保存してみます。自動更新にチェックを入れておくと便利です。
「Redが6つも課題を抱えていて、オープンステータス(未着手)のものがまだ3つあるな~」とか、「Yellowは3つの課題すべて終わらせているな~」ということが、読み取れます。
作成済み vs 解決済みグラフを使うと、いつどのくらいの課題が作成されて、どのくらいの課題が解決されたかが一目で分かります。
作成済み vs 解決済みグラフを使うと、いつどのくらいの課題が作成されて、どのくらいの課題が解決されたかが一目で分かります。
円グラフを使うと、誰がどの位課題を抱えているのかが明確になります。今回は食堂付き塾のプロジェクトを選択して、統計タイプを担当者にします。
こちらが今回作成したダッシュボードです。毎朝の朝礼などで、プロジェクト内のユーザーと一緒に確認する習慣をつけるのが特にお勧めです。
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