Jira サイトインポート 機能を利用して移行する
このページでは、サイトインポートの機能を使用した Jira サーバーインスタンスから Cloud への移行手順を説明します。
時点での検証結果を基に記載しています。
目次
事前に
Jira Software と Jira Core の一方のみまたは両方を移行する場合は、Jira Cloud Migration Assistant を使用することが推奨されています。
Jira Cloud Migration Assistant を使用すると、個別のプロジェクトやサイト全体をサーバーから Cloud に移行できます。
以下の制限事項にご注意ください。
- アプリデータは移行されません
- ユーザーとグループを除く Cloud サイトすべての既存データが上書きされます
- 一部のプロジェクトだけの移行はできません
- 内部ディレクトリユーザーのみ移行されます
- 外部ディレクトリユーザーは 内部ディレクトリに移行 してからインポートする必要があります
- Jira バージョン 7.13.1 ~ で移行推奨
- 添付ファイルを 2 ~ 5 GB のチャンクに分割する必要があります
- ダウンタイムが長くなる恐れがあります
移行の手順
1. 移行前の確認
Jira の移行前のチェックリスト のページを参考に、サイトインポートの準備が完了していることを確認してください。
たとえば、Jira Server/Data Center のバージョンは特定のバージョン以降である必要があります。
2. ユーザーの移行方法の確認
ユーザーを移行する適切な方法は、移行対象の製品や、サーバーインスタンスでのユーザー/グループの管理方法、Atlassian Access を使用するかどうかに応じて異なります。
移行戦略の決定 を参考に適切な移行方法を確認してください。
3. Jira サーバーインスタンスのバックアップの取得
移行元となる Jira サーバーインスタンスにて、XML 形式のバックアップファイルを取得します。
サーバーインスタンスに複数の Jira アプリケーション (Core, Software, Service Management) がある場合、このバックアップはすべてのプロジェクトタイプを含みます。
- Jira システム管理者権限を持つユーザーとして、Jira サーバーインスタンスにログインします。
- Jira のシステム管理画面へ移動します。
- インポートとエクスポート > システムをバックアップ を選択し、Jira データのバックアップ ページへ移動します。
- ファイル名 に任意のバックアップファイル名を入力します。
Jira はこのファイル名としてバックアップファイルを作成します。 - ファイル名を入力したら、バックアップ ボタンをクリックして Jira のバックアップが作成されるのを待ちます。
Jira は <Jira ホームディレクトリ>/export ディレクトリ配下にバックアップファイルを作成します。
Jira を実行しているユーザーがこのディレクトリへの書き込み権限を持っている必要があることに注意してください。 - バックアップファイルが作成されたら、確認メッセージが表示されます。
エクスポートされたバックアップファイルをサーバーから取得してください。
4. ファイルのバックアップ
添付ファイルやプロジェクトアバター、ロゴなどを移行したい場合、それらも同様にバックアップする必要があります。
以下のディレクトリを zip アーカイブしてください。
- <Jira ホームディレクトリ>/data/attachments
- <Jira ホームディレクトリ>/data/avatars
- <Jira ホームディレクトリ>/logos
zip アーカイブが以下の構造となっていることを確認してください。
attachments-1.zip └─── data ├── attachments │ ├── ProjectKey1 │ │ └── 10000 │ │ ├── IssueKey-1 │ │ ├── IssueKey-2 │ │ └── IssueKey-3 │ ├── ProjectKey2 │ └── ProjectKey3 └── avatars └── logos
たとえば Unix 環境の場合は、以下のようなコマンドからこれらの zip アーカイブを作成することができます。
$ cd <Jira Home Dir> $ zip -r data.zip logos/ data/avatars/ data/attachments/
zip ファイルを作成したら、サーバーから取得してください。
5. Jira Cloud へデータベースバックアップのインポート
以下の手順を実行して、Jira サーバーインスタンスで取得したバックアップファイルを Cloud サイトへインポートします。
- Jira Cloud サイトに サイト管理者権限を持つユーザーとしてログインします。
- Jira トップバーから 歯車アイコン > Jira 設定 > システム を選択します。
- インポートとエクスポート > システムを復元 を選択し、Restore from Jira Cloud or Server のページへ移動します。
Choose what to do with imported user data の部分で、インポートしたユーザーの処理を選択します。
選択項目は以下の通りです。選択項目
説明
Merge with existing cloud users 既存の Cloud のユーザーとマージし、グループ情報が統合されます。
Cloud サイトにあるグループと同じ名前のグループがサーバーインスタンスにある場合、ユーザーは Cloud のグループに統合されます。
これにより、インポート時にユーザーの権限がエスカレートする可能性があります。
Cloud サイト上で、ユーザーがどのグループにマージされるか確認してください。Overwrite existing cloud users 既存の Cloud のユーザーを上書きします。
Confluence や Opsgenie、またはほかの Atlassian 製品のアクセスを持つ既存の Cloud のユーザーがすべて削除されます。
Jira Cloud 移行アシスタントを使用してユーザー データを移行しました。 Jira Cloud 移行アシスタント (Migration Assistant) を使用してすでにユーザーを移行している場合はこちらを選択してください。
この処理ではユーザーは移行されません。- データをインポート ボタンを選択し、サーバーから取得しておいたバックアップファイルを選択します。
ファイルチェックが行われ、データのインポート方法を選択するプロンプトが表示されます。
Outgoing Mail の設定を選択します。選択項目は以下の通りです。
選択項目 説明 Enable outgoing mail 課題への新しいコメントや課題のトランジションなどの操作時に Jira によって自動メールが送信されます。 課題への新しいコメントや課題のトランジションなどの操作によるメールを送信しません。
ここでこのオプションを選択しても、移行の後で有効へ変更することができます。問題がなければ Run import ボタンをクリックしてインポートを実行します。
インポートの進捗状況の画面が表示されます。
ファイルの大きさによっては、時間がかかることがあります。
インポートが完了すると、確認画面へ転送されます。インポート完了後はデフォルトで受信メールの設定が有効になっているため、サーバーのメールハンドラーの代わりにメールを処理することがあります。
Cloud サイトでテストを行う間は、受信メール ハンドラーの設定はオフにしておくことをお勧めします。
- Jira トップバーから 歯車アイコン > Jira 設定 > システム を選択します。
- グローバルメール設定 を開き、Eメールプラー と Eメールプロセッサー をオフにします。
受信メール を選択し、受信メール サーバーを設定 と メール ハンドラー のすべての設定を削除してください。
Jira Service Management を利用している場合は、歯車アイコン > 製品 > メールによるリクエスト で、メールアドレスセクションが空になっていることを確認してください。
- メディア (添付ファイル、ロゴ、プロジェクト アバター) を引き続きインポートする場合は、Import media ボタンをクリックします。
移行が完了した場合は、Grant application access ボタンをクリックして 7. グループ、アクセス権限の確認 へ進みます。
6. Cloud サイトへのメディアのインポート
データベースバックアップの移行完了後、Import media ボタンをクリックしてメディアをインポートします。
- Import media ボタンをクリックすると Restore from Jira Cloud or Server のページへ移動するので、メディアをインポート ボタンをクリックし取得しておいたメディアの zip アーカイブファイルを選択します。
- ファイルチェックが行われ、確認画面へ移動します。
問題がないことを確認して Run import ボタンをクリックします。 - インポートの進捗画面が表示されます。
ファイルの大きさによっては、時間がかかることがあります。
インポートが完了すると以下の画面が表示されます。
他のメディアをインポートする場合は、Import more ボタンをクリックします。
インポートが完了していれば、Done ボタンをクリックします。
7. グループ、アクセス権限の確認
Cloud サイトにすべてのデータをインポートしたら、サーバーからインポートされたグループを確認し、アクセス権を付与する対象を決定する必要があります。
セキュリティ上の理由により、インポートプロセスで既定のアプリケーションアクセス設定の適用や新規ユーザーへのアクセス権の付与が自動的に行われることはありません。
ユーザーがログインできるようにするためには、管理者がアプリケーション アクセスを付与する必要があります。
- Jira Cloud サイトにログインし、トップバーの歯車アイコン > ATLASSIAN の管理 > ユーザー管理 を選択します。
- サイト設定 セクションから 製品アクセス を選択します。
グループを確認 のボタンから、インポートされたグループへの権限を確認します。
8. 自身のアカウント設定
セキュリティ上の理由により、移行を実行しているユーザーのグループ設定はインポートされません。
移行を実行している自身のアカウントを、サーバーインスタンスで割り当てられていたグループに割り当てなおす必要があります。
ユーザー セクションで行う場合
- https://admin.atlassian.com に移動します。
- 複数の Cloud サイトをお持ちの場合、移行を行った Cloud サイトを選択する必要があります。
- [ユーザー管理] セクションで、[ユーザー] を選択します。
- 自身のプロファイルを見つけます。
- ... アイコンをクリックします。
- [ユーザーをグループに追加] を選択します。
- 自身を追加する必要があるグループを選択します。
- [グループに追加] をクリックします。
グループ セクションで行う場合
- https://admin.atlassian.com に移動します。
- 複数の Cloud サイトをお持ちの場合、移行を行った Cloud サイトを選択する必要があります。
- [ユーザー管理] セクションで、[グループ] を選択します。
- 自身を追加する必要があるグループを選択します。
- [メンバーを追加] を選択し、自身をグループに追加します。
- 残りのグループについて、必要に応じて手順を繰り返します。
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