レプリケーション機能
- 1 コンテンツレプリケーションの設定と管理
- 1.1 コンテンツレプリケーションを設定する
- 1.2 レプリケーションサービスを有効にする
- 1.3 ロックされたコンテンツをソースリポジトリで開く
- 1.4 コンテンツレプリケーションのための新しい転送先を作成する
- 1.5 レプリケーションジョブを管理する
- 1.5.1 レプリケーションジョブを表示する
- 1.5.2 レプリケーションジョブを新規作成する
- 1.5.3 既存のジョブを管理する
- 1.5.3.1 レプリケーションジョブを実行する
- 1.5.3.2 レプリケーションジョブをキャンセルする
- 1.5.3.3 レプリケーションジョブを編集する
- 1.5.3.4 レプリケーションジョブを削除する
- 1.5.4 レプリケーションジョブレポートを表示する
- 1.6 Alfresco システムレシーバー(ASR)
コンテンツレプリケーションの設定と管理
レプリケーションジョブを使用すれば、リポジトリ間でフォルダやコンテンツを自動的にレプリケートすることができます。これらのジョブはレプリケーションサービスによって制御されます。レプリケーションサービスは、レプリケーションが必要なコンテンツを見つけ、転送サービスを呼び出してレプリケーションを実行します。レプリケーションは、Content Services の複数の個別のインスタンスを実行し、これらのサーバー間でコンテンツのサブセットをレプリケートする環境に適しています。
コンテンツレプリケーションは、ネットワーク遅延や帯域幅の制限によってパフォーマンスが影響を受ける可能性のある、地理的に分散した展開を支援するために設計されています。
ローカルサーバーからのコンテンツ提供による高速アクセス
高可用性(単一障害点の排除)
ネットワーク管理者にとって、レプリケーションには次の利点があります。
ネットワークオーバーヘッドの削減(ネットワークトラフィックの軽減)
デフォルトでは、レプリケートされたコンテンツはターゲットリポジトリでは読み取り専用です。更新が無秩序に行われ、コンテンツの整合性が損なわれることを避けるために、読み取り専用になっています。
Alfresco Share のユーザーインターフェイスには、ユーザーがコンテンツのソースリポジトリに移動して更新を行うためのオプションが提供されています。
レプリケーションサービスは、異なるリポジトリ間のコンテンツレプリケーションを制御します。レプリケーションサービスは、いつ、どこに、何をレプリケートするかを指定するレプリケーションジョブを持続させる役割を担っています。また、現在実行中のレプリケーションジョブの状態を監視し、レプリケーションのキャンセルも可能にします。
レプリケーションサービスは、転送を必要とするノードを見つけ出し、転送サービスにコンテンツの転送を委任します。
レプリケーションジョブは、Alfresco Share Admin Tools で管理されます。
注:複数のレプリケーションジョブを同時に実行することはできません。ターゲットリポジトリに同時に2つのレプリケーションジョブを送信した場合、リポジトリにより受信された1つ目のジョブは問題なく実行されます。しかし、2つ目のジョブを実行しようとすると、エラーが発生して失敗します。
コンテンツレプリケーションを設定する
Content Services を設定することにより、ソースリポジトリとターゲットリポジトリの間でコンテンツレプリケーションを実行できます。
ソースリポジトリとターゲットリポジトリのサーバーをシャットダウンします。
ソースリポジトリで
alfresco-global.properties
ファイルを開き、次に示す更新を行います。replication.enabled
プロパティをtrue
に設定します。replication.enabled=true
注:この行が alfresco-global.properties ファイルに存在しない場合、または値が false に設定されている場合は、レプリケーションジョブを実行することはできません。Share で、次に示すエラーメッセージが表示される場合があります。
また管理コンソールからコンテンツレプリケーションを有効にすることも可能です。詳細は、レプリケーションサービスを有効にするを参照してください。
ファイルを保存します。
ターゲットリポジトリで
alfresco-global.properties
ファイルを開き、次に示す更新を行います。transferservice.receiver.enabled
プロパティをtrueに設定します。ファイルを保存します。
ソースリポジトリとターゲットリポジトリを再起動します。
ロックされたコンテンツをソースリポジトリで開く手順に従い、ソースリポジトリにアクセスできるように、Alfresco Share のURLを設定します。
コンテンツレプリケーションのための新しい転送先を作成する手順に従い、転送先を作成します。
レプリケーションサービスを有効にする
リポジトリ管理コンソールのレプリケーションサービスには、レプリケーションサービスを有効または無効にするための設定と、アクセス許可を制御するための設定が表示されます。
レプリケーションサービスでは、Content Services の異なるリポジトリ間でコンテンツのレプリケーション(転送)を実行できます。
プロパティ | 説明 |
---|---|
Replication Enabled | このリポジトリからコンテンツをレプリケートする機能を有効または無効にします。 |
Replicate Read Only | ターゲットリポジトリ内のレプリカに対するアクセス許可の設定を有効または無効にします。デフォルトの設定は enabled で、レプリカは読み取り専用に設定されています。レプリカは通常、整合性を確保するために読み取り専用になっています。特殊なユースケースの場合のみ、このオプションを無効にします。 |
ロックされたコンテンツをソースリポジトリで開く
レプリケーションジョブでは、編集可能なソースリポジトリでロックされたノードを開くように、Content Services を設定する必要があります。リモートリポジトリの識別子(repositoryId)と、リモートリポジトリにアクセスするためのURLをマッピングすることで設定できます。
ソースリポジトリ上で、Repo Admin Console > General > Repository Information の順に選択し、現在の repositoryId を探します。
http://localhost:8080/alfresco/s/enterprise/admin/admin-repositoryinfo
ターゲットリポジトリ上で、<
web-extension>\share-config-custom.xml.sample
ファイルを<web-extension>\share-config-custom.xml
という名前で保存します。<web-extension>\share-config-custom.xml ファイルから、次の設定例を探します。
<config evaluator="string-compare" condition="Replication"> <share-urls> Example config entry: <share-url repositoryId="622f9533-2a1e-48fe-af4e-ee9e41667ea4">http://new-york-office:8080/share/</share-url> </share-urls> </config>
<share-url>要素のコメントを解除します。
手順1で確認した値に合わせて、repositoryId を修正します。
URLを変更して、http://localhost:8080/share を指定します。
<web-extension>\share-config-custom.xml ファイルを保存します。
ターゲットリポジトリ上で、Web スクリプトを更新して設定の再読み込みを行います。
コンテンツレプリケーションのための新しい転送先を作成する
転送サービスは、Data Dictionary 内の Transfers スペースに、転送サービスの動作を制御・監視するファイルを格納しています。
Transfer Target Groups スペースには、転送先を指定する転送先定義が含まれています。フォルダの下にはグループレベルがあり、異なる転送先セットを分類するために使用されます。このフォルダには、Default Group というグループがあります。
新しい転送フォルダを作成することで、転送先を追加できます。
ソースリポジトリで、Company Home > Data Dictionary > Transfers > Transfer Target Groups > Default Group の場所に新しいフォルダを作成します。
New Folder ウィンドウで、名前(たとえば「Replica」)を指定します。必要であれば、新しいフォルダのタイトルや説明を追加することができます。
Default Group フォルダに定義されるルールにより、そのフォルダの中で作成されるフォルダの種類が特殊化されます。
フォルダの種類は、フォルダルールによって自動的に trx:transferTarget に設定されます。この設定により、ユーザーインターフェイスを通じて、レプリケーションターゲットを定義するのに必要なプロパティを追加できます。新しいフォルダ(「Replica」)で Edit Properties をクリックします。
必要なプロパティを指定します。
Endpoint Host、Endpoint Port、Username、Password を指定します。
Enabled、Save の順にクリックします。
alfresco-global.properties
ファイルでレプリケーションサービスを有効にします。その後、ソースリポジトリを再起動します。
ターゲットリポジトリにおいて、
alfresco-global.properties
ファイルでレプリケーションサーバーとコンテンツレシーバーを有効にします。その後、転送先のリポジトリを再起動します。
ソースリポジトリで、ターゲット設定をテストするためのレプリケーションジョブを作成します。
ツールバーから Admin Tools をクリックし、メニューから Replication Jobs を選択します。
Create Jobをクリックします。
Name、Payload、Transfer Target のプロパティを指定します。
Nameは新しいフォルダ名(たとえば Replication Job)です。Payload は転送元のコンテンツディレクトリ、Transfer Target は手順1で設定したフォルダ名(「Replica」)です。Enabled をクリックします。
Create Job をクリックします。
数分後に画面を更新すると、状態の変化を確認できます。
レプリケーションジョブを確認します。
ターゲットリポジトリでAlfresco Shareにログインし、転送されたファイルを選択して、Open in Source Repository をクリックし、コンテンツがレプリケートされていることを確認します。
レプリケーションジョブを管理する
Alfresco Share Admin Tools のレプリケーションジョブツールを使用して、コンテンツレプリケーション用のジョブを作成し、管理できます。
レプリケーションジョブは、レプリケートするコンテンツ、ジョブを実行する日時、レプリケートされたコンテンツのターゲットロケーションを指定します。
このジョブはレプリケーションサービスによって制御され、転送サービスを呼び出します。これにより、リポジトリ間でフォルダやコンテンツを自動的にコピーできます。レプリケーションジョブは、スケジュールに従って実行することも、オンデマンドで実行することも可能です。
デフォルトでは、レプリケートされたコンテンツはターゲットリポジトリでは読み取り専用になります。更新が無秩序に行われ、コンテンツの整合性に影響が生じることを避けるために、読み取り専用になっています。
レプリケーションジョブを表示する
レプリケーションジョブを選択すると、ジョブの詳細と利用可能なアクションが表示されます。
管理ツール-レプリケーションジョブの順にクリックして(図.1)の画面を表示させてください。
レプリケーションジョブページに、最近実行されたジョブの概要と、既存のレプリケーションジョブの一覧が表示されます。この一覧では、表示されているメニューを使用して、ステータス、名前、最終実行日でジョブを並べ替えることができます。Jobs セクションでジョブをクリックすると、その詳細が表示されます。
クリックしたジョブは、一覧でハイライト表示され、ページの右側にその詳細が表示されます。
レプリケーションジョブを新規作成する
レプリケーションジョブは、必要に応じていくつでも作成することができます。
管理ツールーレプリケーションジョブの順にクリックします。
Jobs セクションで、ジョブの作成をクリックします。
レプリケーションジョブの新規作成ページが表示されます。アスタリスク(*)の付いたフィールドは必須です。新しいレプリケーションジョブの詳細を入力します。
ジョブの名前を入力し、必要であれば説明を入力します。
ペイロードセクションで、選択をクリックします。
リポジトリ内を移動し、ペイロードに含めたい各スペースの右側にある追加(+)をクリックします。このコンテンツが、ジョブ実行時にレプリケート(コピー)されます。OK をクリックします。転送先セクションで、選択をクリックします。
Transfer Target Groups 内を移動し、転送先の右側にある選択をクリックします。OKをクリックします。
注:初期状態では、利用可能な転送先グループは1つ(Default Group)です。Data Dictionary > Transfers > Transfer Target Group の順に選択し、転送先グループを追加作成します。Transfer Target Groups フォルダに定義されるルールにより、そのフォルダの中で作成されるフォルダの種類が特殊化されます。
詳しくは、コンテンツレプリケーションのための新しい転送先を作成する手順を参照してください。レプリケーションジョブを実行するタイミングを指定します。
スケジュールジョブのチェックボックスを選択し、ジョブの実行日時を入力します。このジョブの繰り返し期間を指定します。有効チェックボックスを選択して、レプリケーションジョブの実行を有効にします。
注:レプリケーションジョブを実行するには、レプリケーションジョブを有効にする必要があります。
Create Job をクリックします。
作成されたジョブは、ジョブ一覧でハイライト表示されます。ページの右側にジョブの詳細が表示されます。
既存のジョブを管理する
Admin ToolsのReplication Jobs ページには、既存のすべてのレプリケーションジョブが一覧表示されます。
この一覧の各ジョブについては、以下のいずれかのアクションを実行して、ジョブを管理・維持できます。
ジョブの実行
ジョブのキャンセル
ジョブの編集
ジョブの削除
レプリケーションジョブを実行する
レプリケーションジョブのジョブの実行を使用して、レプリケーションジョブを実行できます。この操作はいつでも実行できます。ジョブにスケジュールが設定されている場合は、そのスケジュールが保持され、適切な時刻に実行されます。
管理ツールーレプリケーションジョブの順にクリックします。
Jobs セクションで、実行したいジョブをクリックします。
クリックしたジョブは、一覧でハイライト表示され、ページの右側にその詳細が表示されます。
注:ジョブを実行するには、そのジョブを有効にする必要があります。ジョブの実行をクリックします。
ページ右側の Status セクションには、ジョブが実行中であることが示されます。ジョブが開始された日時が表示されます。
レプリケーションジョブをキャンセルする
現在実行中のジョブは、それが自動的に開始されたもの(スケジュールされたジョブ)か、手動で開始されたものかにかかわらず、キャンセルすることが可能です。
管理ツールーレプリケーションジョブの順にクリックします。
Jobs セクションで、現在実行中のジョブの中からキャンセルしたいものをクリックします。
ジョブ名の左側にあるアイコンは、ジョブが現在実行中であることを示します。
ページ右側の Status セクションには、選択したジョブの開始時刻が表示されます。
注:そのジョブが既に表示されていた場合は、Refresh をクリックしてステータスを更新することが必要な場合があります。ジョブのキャンセルをクリックします。
ジョブが停止し、レポートが作成されます。
レプリケーションジョブを編集する
既存のレプリケーションジョブを簡単な操作で更新できます。ジョブの詳細を変更するだけでなく、この機能を使用してジョブを無効にして実行されないようにすることもできます。
管理ツールーレプリケーションジョブの順にクリックします。
Jobs セクションで、編集したいジョブをクリックします。
クリックしたジョブは、一覧でハイライト表示され、ページの右側にその詳細が表示されます。編集をクリックします。
レプリケーションジョブの編集ページが表示されます。必要に応じて、レプリケーションジョブを編集します。ジョブの名前、説明、ペイロード、転送先、スケジュールなど、すべての詳細情報が編集可能です。
必要に応じて、ソースアイテムの追加や削除を行います。1つのアイテムを削除する場合は、そのアイテムの右側にある Remove をクリックします。一覧の下にある「すべて削除」をクリックすると、すべてのアイテムが削除されます。
ジョブが実行されないようにするには、有効チェックボックスの選択を解除します。保存をクリックします。
メインページに更新されたジョブの詳細が表示されます。
レプリケーションジョブを削除する
不要になったレプリケーションジョブは、ジョブ一覧から削除できます。そのジョブが再び必要になる可能性がある場合は、ジョブを編集して無効にすることをお勧めします。
管理ツールーレプリケーションジョブの順にクリックします。
Job セクションで、削除したいジョブをクリックします。
クリックしたジョブは、一覧でハイライト表示され、ページの右側にその詳細が表示されます。Delete をクリックします。
メッセージが表示され、選択したジョブの削除の確認を求められます。Delete をクリックします。
選択したジョブがジョブ一覧から削除されます。
レプリケーションジョブレポートを表示する
正常に実行された各レプリケーションジョブについて、ローカルとリモートの2種類のレポートを表示できます。
ローカルレポートは、受信システムに転送されるコンテンツを管理する送信システムからの転送レポートです。ローカルレポートには、ファイルの転送速度などの詳細が記載されています。
リモートレポートは、受信システムからの転送レポートです。このレポートは、転送の一環としてファイルが作成、更新、修正、または削除されたかを示します。
管理ツールーレプリケーションジョブの順にクリックします。
Job セクションで、表示したいジョブをクリックします。
クリックしたジョブは、一覧でハイライト表示され、ページの右側にその詳細が表示されます。レポートを選択します。
「ローカルレポートの表示」をクリックします。
「リモートレポートの表示」をクリックします。
選択したレポートは、リポジトリの文書ライブラリの詳細ページに表示されます。
Alfresco システムレシーバー(ASR)
Alfresco システムレシーバー(ASR)は、レプリケーションジョブを使用してオーサリングリポジトリから標準リポジトリにコンテンツを転送します。
リポジトリは、オーサリング環境からコンテンツを受信し、プレゼンテーション層でコンテンツを照会し、動的に提供できるようにします。
ASR は、Alfresco のレプリケーションジョブを使用して設定します。レプリケーションジョブにより、配信層で、オーサリングリポジトリから ASR にコンテンツを読み取り専用で公開できるようになります。
ユースケースとしては、Internal の Alfresco に保存されたコンテンツを外部ユーザーに公開する場合に利用されます。
外部には読み取り専用としてコンテンツは公開されます。
ASR を利用するには、別途ライセンスが必要です。
ASR を使用するには、別途ライセンスが必要です。ASR では、管理者ユーザーと指名されたユーザーのみがコンテンツを検索できるように制限されています。読み取り専用でシステムにアクセスできます。
ASR でできること:
コンテンツツリーの全部または一部を追加サーバーと同期(または複製)させる
同期間隔を選択する
読み取り専用コンテンツを提供する
ASR を使用すると、次のことができます。
Alfresco Share を使って同期されたコンテンツを管理する
ユーザーアカウント(1つの汎用アカウント)を管理する
特定の役割と権利(1ユーザー)を管理する
次の図は、Web プロジェクトを公開するために照会されるコンテンツリポジトリとしての ASR を示しています。
ASR では、バージョン間の変更点のみが確実に送信されます。結果として、Web サイトのランタイム版として展開されると考えてください。
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