Bitbucket Cloud Migration Assistant で移行する

このページでは、Bitbucket Cloud Migration Assistant を使用した Bitbucket サーバーインスタンスから Cloud への移行手順を説明します。

制限事項

以下の制限事項にご注意ください。

アプリのデータは移行されません。
Bitbucket 7.0.0 以上のバージョンを使用している必要があります。

事前準備

Bitbucket Server から Cloud への移行を計画するのページを参考に、Cloud への移行の準備を行います。

どのデータが移行されるかを確認します。
Bitbucket Cloud が、組織のセキュリティ要件を満たしているか確認します。
Bitbucket Server/Data Center で使用していたアプリや統合が Bitbucket Cloud で必要か、実現できるかを確認します。
Bitbucket Server/Data Center のライセンスは Bitbucket Cloud に移転されないため、アプリ等も含めたコストを確認します。
Bitbucket Server/Data Center のデータを確認します。
- 移行前にオープンのプルリクエストを完了することが推奨されています。
- ユーザーを確認し、Bitbucket Cloud で必要のないユーザーをクリーンアップしておきます。
- リポジトリ名の重複を確認します。
  
  Server/Data Center では、異なるプロジェクトで同じ名前のリポジトリを持つことができますが、Bitbucket Cloud では、リポジトリ名はワークスペース単位で一意である必要があります。
ユーザーの管理方法を検討します。

Bitbucket Cloud Migration Assistant の使い方

Bitbucket Cloud Migration Assistant の使い方を説明します。

1. Bitbucket Cloud Migration Assistant のインストール

Bitbucket の新しいアプリの検索ページへ移動し、Bitbucket Cloud Migration Assistant をインストールします。

Marketplace の検索欄に Bitbucket Cloud Migration Assistant を入力して Enter を押下し、表示される Bitbucket Cloud Migration Assistant をインストールします。

アプリのインストール後、Bitbucket の管理画面 > Migrate to cloud から移行アシスタントの画面を表示することができるようになります。

Bitbucket Server/Data Center がファイアウォールの内側にある場合、ドメイン atlassian.com へのアクセスを許可する必要があります。

2. 移行のセットアップ

サーバーインスタンスから Cloud へのデータ移行をセットアップします。

Migration assistant home のページで Manage your migration (移行の管理) ボタンをクリックします。
Migrations dashboard のページが表示されるので、Create new migration (新しい移行の作成) ボタンから新しい移行を作成します。
移行におけるステップが表示されるので、内容を確認して Connect to cloud (Cloud へ接続) ボタンをクリックします。
この移行の名前を入力し、移行先の Bitbucket Cloud のワークスペースを選択します。
すでに Bitbucket Cloud へ接続している場合はドロップダウンにワークスペースの一覧が表示されますが、
まだ接続していない場合は、Choose new cloud destination (新しい Cloud 先の選択) ボタンから Cloud へログインしてワークスペースを選択するか、
Create a free Bitbucket account (フリー Bitbucket アカウントを作成する) ボタンから新しい Bitbucket アカウントを作成することもできます。
ワークスペースを選択したら、Next (次へ) ボタンをクリックします。
移行されるユーザーの情報を確認します。
Bitbucket Cloud Migration Assistant では、Bitbucket Server のアクティブなユーザーのみを移行します。
ただし、移行されたユーザーは Bitbucket Cloud の支払いに影響がないようにどの権限も持たない状態となります。
内容を確認し、Choose repositories (リポジトリを選択する) ボタンをクリックします。
移行するリポジトリを選択します。
リポジトリを選択したら、Add to migration (移行に追加) ボタンをクリックします。
エラーの確認画面が表示され、以下の項目についてエラーをチェックします。
- 移行サービスが利用可能であるかどうか
- Migration Assistant が最新バージョンであるかどうか
- すべてのユーザーが有効なメールアドレスであるかどうか
- すべてのユーザーが一意のメールアドレスとなっているかどうか
- すべてのユーザーが有効な状態であるかどうか
- ユーザーに関連するすべての名前が有効であるかどうか
- すべてのプロジェクトの情報 (文字数制限やフォーマット、説明の長さなど) が有効であるか
- すべてのリポジトリがまだ存在しているか
- すべてのリポジトリのサイズが制限内であるか
- リポジトリの情報 (重複や名前の文字数制限、フォーマットなど) が有効であるか
緑色のチェックマークが表示された場合、問題はありません。
警告サインが表示された場合、続行できますが、潜在的な問題がある点を確認しておく必要があります。
赤いエラーが表示された場合、移行を実行する前にエラーを解決する必要があります。
問題がないことを確認したら、Review migration (移行を見直す) をクリックします。
移行を見直すための画面が表示されます。
Save (保存) ボタンをクリックすればこの移行を保存し、一旦終了します。
Run migration (移行を実行) ボタンをクリックするとこの移行を実行します。
移行を実行すると、Migrations dashboard のページで移行の一覧が表示されます。
各移行のメニューから View details (詳細を見る) を選択することで、その移行の詳細を確認することができます。

移行の詳細画面では、その移行の状況を確認することができます。

Migration complete が表示されたら移行は完了です。

3. 移行後の確認

移行の完了後、以下の点について確認してください。

リポジトリデータの確認
移行したリポジトリのコミットやブランチ、プルリクエストなどが正常に移行されているか確認してください。
ユーザーの権限
Bitbucket Cloud Migration Assistant は、"グループ" や "ユーザーの権限" を移行しません。
グループの作成やメンバーの割り当て、権限設定は手動で行う必要があります。
デフォルトのレビュワー
Bitbucket Cloud Migration Assistant は、デフォルトのレビュワーの設定を移行しません。
手動で再設定する必要があります。
ブランチ権限
Bitbucket Cloud Migration Assistant は、ブランチ権限の設定を移行しません。
手動で再設定する必要があります。
Webhook
Bitbucket Cloud Migration Assistant は、Webhook の設定を移行しません。
手動で再設定する必要があります。
マージチェック
Bitbucket Cloud Migration Assistant は、マージチェックの設定を移行しません。
手動で再設定する必要があります。
Jira Software との統合
Bitbucket Cloud へ移行したら、ワークスペースを Jira Software と連携しなおす必要があります。
Jira Software Server/Data Center でも、Jira Software Cloud でもどちらでも連携することができます。
アプリのインストール
Bitbucket Cloud で必要なアプリをインストールします。

移行される情報と移行されない情報

項目	移行される移行されない	備考
プロジェクト		移行対象のリポジトリがプロジェクトに属している場合、Bitbucket Cloud の同名のプロジェクトへ移行されます。そのプロジェクトが存在していない場合は、新しくプロジェクトが作成されます。
プロジェクト設定・権限		現在 Bitbucket Cloud にこれらの機能はありません。今後機能が追加される予定です。
リポジトリ		デフォルトのレビュワー、マージチェック、Webhooks は移行されません。
ブランチ
ブランチパーミッション		移行後に手動で再設定する必要があります。
コミット履歴
Jira 課題のリンク		Jira 課題の開発パネルに情報が表示されます。
プルリクエスト		タイトルや説明、ステータス、diff の情報、プルリクエストの作成者/レビュワー、コメントが移行されます。
ユーザー		Bitbucket Server インスタンスのすべてのアクティブユーザーが移行されます。非アクティブなユーザーは移行されません。またユーザーの権限も移行されません。
グループ
リポジトリの権限		移行後にユーザーを管理する必要があります。
Git LFS