Jira Cloud Migration Assistant で移行する

このページでは、Jira Cloud Migration Assistant を使用した Jira サーバーインスタンスから Cloud への移行手順を説明します。

  時点での検証結果を基に記載しています。

Jira Cloud Migration Assistant 対象バージョン:1.5.2

目次


事前に

以下の制限事項にご注意ください。

 Jira Cloud への移行方法 比較表

日本語環境で Jira Cloud Migration Assistant を利用する前のチェック

Jira サーバーインスタンスを英語以外の言語で利用している場合、移行時にステータスや課題タイプ、カスタムフィールド等が Cloud インスタンスの既存のものと重複して作成される問題があります。
日本語環境で Jira Cloud Migration Assistant を利用する前のチェックリスト をご参考に、以下の言語設定について確認を行ってください。

  1. ロックシステムフィールドの確認
  2. 課題タイプの確認
  3. エピックステータスのオプションを確認
  4. 保存済みフィルターの確認
  5. 既定の言語の確認


移行の手順

Jira Cloud Migration Assistant での移行方法をご案内します。

1. Jira Cloud Migration Assistant のインストール

移行元の Jira サーバーインスタンスのアプリ管理画面へ移動し、Jira Cloud Migration Assistant をインストールします。
Marketplace の検索欄に Jira Cloud Migration Assistant と入力し、インストールしてください。

Jira 8.14 以降では、デフォルトで Jira Cloud Migration Assistant がインストールされています。


アプリのインストール後、Jira のシステム管理画面 > インポートとエクスポート から Migrate to cloud の画面を表示することができるようになります。

Migrate to cloud のページが見つからない場合は、Jira のサポート対象バージョン を利用しているか確認してください。



2. アプリを確認する

サーバーインスタンスにインストールされているアプリを Cloud サイトにもインストールしておきます。

サーバー上に重要なデータがある場合は、必ずそのデータを移行するための最適な方法について、ベンダーへ確認してください。

  1. Migration assistant home のページで、ASSESS AND INSTALL APPS をクリックします。


  2. サーバーインスタンスにインストールされているアプリの一覧が表示されます。

    列名

    説明

    User installed appsユーザーがインストールしたアプリです。
    Status

    アプリの移行をどのようにするか指定するステータスです。
    ステータスは以下のようになっています。

    ステータス

    説明

    No decision madeデフォルトで選択されている値。
    状況が不明な場合や、Cloud へ移行するか決まっていないときに選択します。
    Needed in cloudアプリとそのデータを Cloud へ移行する必要があるときに選択します。
    Not needed in cloudアプリを Cloud へ移行する必要がないときに選択します。
    たとえば以下のような要因が考えられます。
    • 既存の Cloud サイトにアプリが既にインストールされている。
    • Cloud に、アプリの機能を実現するネイティブな機能がある。
    • アプリがあまり使用されていないため、移行が必要なさそうである。
    Use alternative

    サーバーにインストールされているものの代替となる Cloud 用のアプリを使用するときに選択します。

    Exists in cloud

    サーバーにインストールされているこのアプリが Cloud 版のものを提供しているかどうかです。
    以下のいずれかが表示されます。

    ステータス

    説明

    (ティック)Cloud 版のアプリケーションが提供されています。
    (エラー)Cloud 版のアプリケーションは提供されていません。
    (疑問符)Jira Cloud Migration Assistant で情報を確認できません。

    また、各ステータスの下に表示されるテキストが詳細を示しています。

    表示されるテキスト

    説明

    View differences関連するベンダーのページへ移動して、アプリの Server 版と Cloud 版の違いを確認できます。
    Contact vendor利用可能な情報がありません。ベンダーへ問い合わせる必要があります。
    Can be migrated

    ベンダーが提供する移行パスがあるかどうかです。
    以下のいずれかが表示されます。

    ステータス

    説明

    (ティック)Cloud への移行方法が提供されています。
    (エラー)Cloud への移行方法は提供されていません。
    (疑問符)Jira Cloud Migration Assistant で情報を確認できません。

    また、各ステータスの下に表示されるテキストが詳細を示しています。

    表示されるテキスト

    説明

    See pathway関連するベンダーのページへ移動して、アプリの移行パスを確認できます。
    Contact vendor利用可能な情報がありません。ベンダーへ問い合わせる必要があります。
    Notes注意点などを入力します。


    どのアプリケーションを Cloud サイトでも引き続き使用するか選択し、Continue ボタンをクリックします。

  3. Cloud サイトを選択する画面が表示されるので、Choose cloud site ボタンか Get Jira Cloud trial ボタンを選択し、アプリをインストールする Cloud サイトを指定します。

    指定した Cloud サイトの サイト管理者 である必要があります。

    移行元のサーバーインスタンスのベース URL と移行先の Cloud サイトを指定し、Allow Atlassian to access migrations data にチェックを入れて Confirm ボタンをクリックします。


  4. 確認画面が表示されますので、Continue ボタンをクリックして続行します。


  5. 2 のステップで Need in cloud を選択したアプリのうち、Cloud に対応しているアプリをインストールする画面が表示されるので、Install app ボタンからインストールへ進み、完了したら Done ボタンをクリックします。


3. 移行のセットアップ

サーバーインスタンスから Cloud へのデータ移行をセットアップします。

  1. Migration assistant home のページで、MANAGE YOUR MIGRATION をクリックします。


  2. Migrations dashboard のページが表示されるので、Create new migration ボタンから新しい移行を作成します。


  3. 移行におけるステップが表示されるので、Connect to cloud ボタンをクリックします。


  4. この移行の名前を入力し、移行先の Cloud サイトを選択します。
    すでに Cloud サイトと接続されている場合はドロップダウンに表示されます。何も表示されない場合は Choose cloud site ボタンから新しい Cloud サイトに接続するか、Get Jira Cloud trial ボタンから クラウド移行トライアル を利用することができます。
    Cloud サイトを選択し、Choose what to migrate ボタンをクリックします。


  5. 移行対象とするデータを選択します。選択肢は以下となります。

    選択項目説明

    Projects

    移行するプロジェクトのデータを選択します。
    Users and groups移行するユーザー、グループのデータを選択します。



    1. プロジェクトのデータを選択する
      Edit ボタンをクリックして移行するプロジェクトを選択します。
      特定のプロジェクトを選択するか、上部のチェックボックスをクリックしてすべてのプロジェクトを選択することもできます。
      Cloud サイトですでに使用されているプロジェクトキーを持つプロジェクトは移行することはできません。
      移行するプロジェクトを選択したら、Add to migration ボタンをクリックします。



    2. ユーザー、グループのデータを選択する
      Select ボタンを押して移行するデータを選択します。選択肢は以下となります。


      選択項目説明
      All users and groups from the Jira directoryすべてのユーザーとグループを移行します。
      以下のユーザーが含まれます。
      • アクティブなユーザーディレクトリの Jira Core/Software ユーザーとグループ
      • Jira Service Management のエージェントと顧客
      • プロジェクトのデータとして参照されている、非アクティブディレクトリや削除されたユーザーは "Former user" として移行されます。
      • 選択したプロジェクトで使用されているプロジェクトロール

      以下のユーザーは移行されません。

      • 非アクティブディレクトリのユーザー
      • 同期されていない外部ディレクトリのユーザー
      Only users and groups related to the selected projects

      移行するプロジェクトの設定、フィールド、コンテンツで参照されているユーザーとグループを移行します。
      この項目を選択すると追加で以下の選択オプションが表示されます。

      選択項目説明
      Users and groups referenced in projects (minimum required for data integrity)標準フィールドやカスタムフィールド、ワークフロー、権限スキームで参照されるユーザーやグループ、ロールが含まれます。
      これには、プロジェクトで参照されているグループのすべてのメンバーは含まれません。
      Include all users and groups assigned to required roles選択したプロジェクトで必要とされるロールに割り当てられたユーザーやグループが含まれます。
      このオプションは、ユーザー/グループとロールのセットを保持します。
      Include any user that is a member of a group in this migration選択したプロジェクトで参照されるグループのすべてのユーザーが含まれます。
      たとえば、選択されたプロジェクトの参照権限を持っているグループがある場合、ユーザーが直接参照されていなくても、そのグループのメンバーが含まれます。

      また、グループメンバーシップの移行方法も選択します。選択肢は以下となります。

      選択項目説明
      Preserve group membershipグループのメンバーシップを保持します。
      ユーザーはプロジェクトのアクセスを持ち、Cloud サイトのライセンスに追加されます。
      お客様のユーザーにメールや招待状を送ることはありません。
      Migrate users and groups separatelyユーザーとグループを別々に移行します。
      ユーザーとグループ自体は Cloud サイトへ移行されますが、ユーザーはグループに追加されません。
      ユーザーには Atlassian アカウントが付与されますが、プロジェクトへのアクセスは持たず、Cloud サイトのライセンスにも追加されません。

      選択したら、Add to migration ボタンをクリックします。

  6. 続いて Check for errors ボタンをクリックしてエラーチェックを行います。


  7. エラーの確認画面が表示され、以下の項目についてエラーをチェックします。 
    • Jira Cloud Migration Assistant アプリが最新バージョンかどうか(検証時とバージョンが異なり、旧バージョンのまま進める必要がある場合はお問い合わせください)
    • ユーザーが有効なメールアドレスを持っているかどうか
    • ユーザーが一意のメールアドレスを持っているかどうか
    • グループが統合されるかどうか
    • プロジェクトが競合するかどうか
    • プロジェクトやボード、フィルターが公開されており、オンラインで検索されるかどうか

    (ティック) 緑色のチェック マークが表示された場合、チェックは完了しています。

    (警告) 警告サインが表示された場合、続行できますが、潜在的な問題がある点を確認しておく必要があります。

    (エラー) 赤いエラーが表示された場合、移行を実行する前にエラーを解決する必要があります。


    エラーが含まれている場合は、下図のように Continue and fix later ボタンが表示されます。


    Continue and fix later をクリックした場合は、以下のような画面が表示されるので一旦この移行を保存し、あとから再開してエラーを確認することができます。


    エラーを解決すると Review migration ボタンが表示されますので、クリックして先に進めます。


  8. Review migration ボタンをクリックすると下図のような画面が表示されます。
    Save ボタンをクリックすると、この移行を保存し一旦終了します。Run ボタンをクリックすると、この移行を引き続き実行します。



    画面下部では、タブを切り替えて移行に含まれるユーザーやグループ、プロジェクトなどの詳細を表示したり、移行前のレポート、移行後のレポート、エラーログをダウンロードすることができます。


    Logs and reports タブでは、移行前のデータを zip ファイルとしてダウンロードしスキャンすることができます。このレポートには以下の内容が含まれます。

    データ説明
    Summary移行されるもの、移行されないものの一覧です。
    Requires attention移行でサポートされていない項目など、注意が必要な項目の一覧です。
    Users and groups

    移行するユーザーとグループの一覧です 。

    Configuration items今回の移行対象の、カスタムフィールドとワークフローの一覧です。


    また、移行が完了したら移行後のデータを zip ファイルとしてダウンロードし、以下の内容を確認することができます。

    データ説明
    Summary正常に移行されたものと、移行されなかったものの一覧です。
    Requires attention移行でサポートされていない項目など、注意が必要な項目の一覧です。
  9. 保存した移行は、Migrations dashboard のページで確認することができます。
    ここからステータスを確認したり、View details のメニューから詳細を確認することができます。移行のステータスは以下となります。

    ステータス説明

    SAVED

    移行が保存済みで、実行できる状態です。

    RUNNING

    移行が実行されている状態です。

    COMPLETE

    移行のすべてのタスクが完了した状態です。

    INCOMPLETE

    一部のタスクが完了しましたが、エラーが発生したり移行できなかったものがある状態です。
    このステータスは一部のデータが移行されたことを意味するため、同じプロジェクトを再度移行する場合は、Cloud サイトからデータをクリアする必要があることに注意してください。

    FAILED

    移行に失敗した状態です。
    移行先のサイトにプロジェクトキーが既に存在していたり、予期せぬエラーが起きた可能性があります。


4. 移行後の確認

移行完了後、データが正しく移行されているか確認してください。

ユーザーとグループ

ユーザーとグループが正しくセットアップされていることを確認するには、次の手順を実行します。

  • 歯車アイコン > ユーザー管理 に移動して、グループのメンバーを確認し、権限を確認します。

    • 必要に応じて、管理者グループにユーザーを追加します。
      一般的な例: "site-admins", "system-administrators", "atlassian-addons", "atlassian-addons-admin"

    • 外部のユーザー管理システムを使用している場合は、ユーザーが正しく同期されていることを確認します。

    • 準備が整ったら、ユーザーを招待します。
      ユーザー管理 > ユーザー画面で、招待の再送 リンクをクリックします。ユーザーが初めてログインする際に新しいパスワードを設定し、個人情報を追加するように求められます。

プロジェクト

プロジェクトが正しく移行されたことを確認するには、次の手順を実行します。

  • プロジェクト、課題を確認するか、ユーザーに自身のプロジェクトの確認を依頼します。

    • Former User が意図せず表示されているところがないかどうかを確認します。
      これは、コンテンツをユーザーに関連付けることができなかったことを意味します。

    • JQL およびクイック フィルターに (migrated) フレーズがあるかどうかを確認します。
      migrated フレーズは移行で新しく作成されたものに表示されています。フィルター結果を正しく動作させるには、Cloud サイトの既存のデータと統合する必要があります。
    • 歯車アイコン > Jira 設定 > 製品 > アプリケーション リンク に移動し、他のアトラシアン製品にリンクします。

    • その後、必要な他のアプリをインストールします。


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