Insightを使ってサービスデスク業務を効率化してみませんか?
Atlassian Cloud版のJira Service Managementには「Insight」というアセット管理ができる機能があります。
現在は、Jira Service Management PremiumプランおよびEnterpriseプランで利用することができます。
https://www.atlassian.com/ja/software/jira/service-management/premium
このInsight上に作成したアセット(データ)とJira Service Management上の課題をリンクさせると、問題の追跡や特定がしやすくなり、課題の迅速なクローズに結び付けることができます。
Insightの構造
Insightを使用するには初めにその構造について理解する必要があります。
Insightは、オブジェクト スキーマ、オブジェクト タイプ、オブジェクト、属性から構成されています。
一般的なリレーショナルデータベース(RDB)に例えると、
- オブジェクト スキーマ ➡ データベース
- オブジェクト タイプ ➡ テーブル
- 属性 ➡ 列(カラム)
- オブジェクト ➡ 行(データ)
と考えると分かりやすいと思います。
オブジェクト スキーマの作成
「Insight」メニューから「すべてのオブジェクト スキーマを表示」を選択すると、スキーマ一覧が表示されます。
この画面から、右上の「オブジェクト スキーマを作成」をクリックしてスキーマを作成します。
作成すると、スキーマ一覧に表示され、作成日や作成済みのオブジェクト タイプ数やオブジェクト数が分かるようになっています。
右側の「アクション」メニューからは、スキーマ名やスキーマに対する権限設定などがおこなえます。
オブジェクト タイプの作成
スキーマを作成したら、そのスキーマ画面右上の「オブジェクト タイプ」内の「作成」よりオブジェクト タイプを作成することができます。
オブジェクト タイプ名を入力後、アイコンを選択することができる他、オブジェクト タイプを階層化させたい場合には、「親」を設定し、どの階層下に作成するかを設定することができます。
作成したオブジェクト タイプは、画面左側にツリー形式で表示されます。
( ) 内には、各オブジェクト タイプ内のオブジェクト数が表示されます。
なお、オブジェクト タイプは、必要なデータの種類分、作成します。
例えば、国内外の取引先情報を管理する場合は、取引先の所在国(Country)、取引先名称(Company)、取引先担当者情報(User)のように、スキーマ内で管理するデータ種別ごとに作成します。
属性の追加
オブジェクト タイプを作成したら、オブジェクトの付加情報として持たせる属性を設定します。
対象とするオブジェクト タイプを選択した状態から、右上の「属性」をクリックします。
デフォルトでは、Key(各オブジェクトに固有に割り当てられるシステムID)、Name(オブジェクト名)、Created(作成日時)、Updated(更新日時)が設定されています。
画面下のフィールドに属性名称を入力して、属性を追加することができます。
属性のタイプとは、属性として持たせるデータの種別で、
- デフォルト:任意のデータ。タイプ値として「Text(文字)」「Integer(数値)」「DateTime(日時」などを選択可
- オブジェクト:他のオブジェクト タイプのデータ。タイプ値から対象のオブジェクトを選択可
- ユーザー:Jiraユーザー
- グループ:Jiraグループ
- ステータス:「取引中」「取引停止」などのデータ。スキーマ設定から任意のステータスを作成可
から選択できます。
また、属性にオブジェクトを設定した場合は、グラフからオブジェクト間のリレーションを確認することができます。
(グラフの種類については、下記Atlassian社のページを参照ください)
オブジェクトの追加
オブジェクト スキーマ ➡ オブジェクト タイプ ➡ 属性の作成まで完了すると、データを格納する入れ物ができたことになります。
ここから、実際のアセットとなるデータ(オブジェクト)を追加していきます。(RDBのInsert文と同等の処理を実行していきます)
対象とするオブジェクト タイプを選択した状態から、右上の「オブジェクトを作成」をクリックします。
オブジェクト名および属性情報の入力欄に該当するデータを入力し、「作成」をクリックします。
作成されたオブジェクトは、「リストビュー」や「詳細ビュー」で確認でき、必要に応じて編集もおこなえます。
リストビュー
詳細ビュー
「詳細ビュー」からは、オブジェクトに対する操作履歴を確認することができ、誰がいつどのデータを変更したかなどのアクティビティを追跡することができます。
これにより、オブジェクトに関連付けられた課題解決の効率化の他、不正操作・操作ミスの防止にも役立てることができます。
JSMの課題ビューにInsightオブジェクトをリンクする
以上で、Insightの基本的な設定は完了です。
作成したInsightオブジェクトは、Jira Service Management (JSM) のポータル リクエスト画面に表示させて、課題とリンクさせることができます。
(詳細な設定方法については、下記Atlassian社のページを参照ください)
https://support.atlassian.com/ja/jira-service-management-cloud/docs/set-up-the-insight-object-field/
また、エージェント側の課題ビューからもオブジェクトへのリンクが張られており、内容を確認することができます。
さらに、Insightから対象オブジェクトを選択すると、このオブジェクトを選択して起票した課題が表示されます。
このオブジェクトでは、過去にどのような課題が起票されたかを確認し、初めて対応する場合でも他の担当者の対応内容を参考にすることができ、担当者間での対応内容のバラつきがなくなり、対応が属人化することを防ぐことができます。
このように、関連した課題を参照できることで、過去の対応を参考に課題を解決できたり、過去の課題との関連性を保ちながら対応でき、一定のサービスレベルの維持および業務の効率化、そして顧客満足度の向上にもつなげることができます。
ぜひ、Insightを使ったJSMの運用を検討されてみてはいかがでしょうか。
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